受験生各位
◆入替戦/2部昇格
胸を熱くする勝利、
それは入替戦の勝利でした。
対戦するはY大学。
2部の最下位とはいえ、
さすが2部と感じさせました。
そこには2部チームとしての
プライドと底力それがありました。
レシーブに優れ、
半端なスパイクでは拾われて
ブロックされてしまう。
そうした試合を見て、
2部に昇格しても
2部で通用するチームを作るのは
大変なことだなと感じました。
1セット目は、
優勢に試合を進めるも、
終盤で逆転されて25-27。
そして2セット目は、
チームの持ち味を発揮して25-20。
このまま行くのかと思いきや、
3セット中盤から大崩れで17-25。
嫌な雰囲気が漂いました。
チームは3部で10連勝して
得失セットも30-3と
圧倒的な強さを見せてきた。
それが、よもや負けはしないだろう、
との奢りもあったと思う。
しかし4セット目から
コンビバレーが復活し、
そのセットを25-14と封じ込めると、
最終セットもその勢いのままに
15-9と圧勝。
その瞬間、
選手と観客席が、
大歓声に包まれる。
観客は総立ちして
勝利を呼んだ選手を讃え、
拍手や歓声が鳴り止まない。
選手の顔が紅潮して、
観客席の応援団も歓喜に包まれ、
涙目になってる人もいる。
この日、このときの1勝。
それは単なる1勝ではなく、
色々な想いが詰まった1勝でしょう。
思えば7年ほど前、
バレー部は選手が集まらず、
廃部寸前でした。
チームはインカレで優勝したこともある
実績のあるチーム。
伝統と強さを誇っていましたが、
しかしいつの頃からか、
頂点から転げるように落ちていく。
関東学生バレーリーグは、
15部あるとはいえ、
優勝の栄冠を手にしたチームとしては、
転落の軌跡でもある。
4部から5部へと転げ落ち、
3部復帰後も鳴かず飛ばず。
3部の底辺を徘徊して、
2年前には4部に降格する憂き目にも
あいました。
そんなチームが強いバレー部を復活させて
3部を全勝で飾る。
そして2部へ返り咲くというのは、
選手だけでなく
OBにとっても感慨深いものでしょう。
2部から降格したのは31年前。
そうした積年の想いが、
凝縮した1勝だといえます。
優勝の歓び――、
それは掛け替えのないものに
違いありませんが、
それ以上に入替戦の勝利は、
言葉では語り尽くせない重いものがある。
それを成し遂げた選手の感激、
それを支えた選手仲間、
そして勿論、
監督やコーチの貢献も忘れられない。
そうした積み重ねがあればこそ、
此処まで来ることができた。
そうした感動は、
なにものにも勝る1勝で、
生涯忘れることはないと思う。
そして私は一選手の父兄。
彼は今年がラストシーズンで、
バレー部の門をひらいたとき、
2部への復帰、
やがては1部へとの夢を抱きましたが、
4部に降格する経験も経た。
そしてこの日の1勝。
ラストシーズンの、
最後を締める舞台で、
有終の美を飾ることができたのは、
彼にとっても、
彼の想いがあり、
生涯の財産になるように思います。
そしてなによりも、
塾生としての誇りを持ちうる、
チームでプレーし、
多くの仲間を得ることができた。
それもまた財産に違いません。
そうした感動を、
君たちもまた、
君たちの手で勝ち取って下さい。
スポーツをする人間の、
熱く、深い想い。
日々の練習に励み、
その感動を君たち自身の手で
勝ちとってほしいと強く願っています。
2018.11.30