初の海外はスイスで、
その後はもっぱら国内旅行。
海外に行くほどの暇はないし、
金もなし。
ところが円高が進んで、
海外が身近になり、
どこか遠いところへ!
と思い立ったとき、
訪れたのはオーストラリアでした。
とはいえ、
積極的にオーストラリアかといえば、
そうじゃない。
年末のハワイは高いし、
冬なのに寒い所に行く気もしない。
そんなわけで、
季節が反転する南半球の、
オーストラリアが、
消去法として残ったに過ぎない。
ところが、
このオーストラリアにはまった。
季節が反転する風景が、
旅慣れない日本人にとって
刺激的だったのかも知れない。
記憶に残る、
海外の風景の筆頭に
今もなおオーストラリアがある。
だからこの時の海外も
オーストラリアの、
ケアンズだったかもしれない。
それは旅を企画した
子供たちも同じだったと思う。
記憶の中のオーストラリア。
そんなこんなのケアンズ体験。
その再現を、
というわけでもないが、
ケアンズを目指して、
機内泊を含めて4泊5日の旅に出た。
長女家族3人に、
長男家族4人を加えての9人の旅。
予算を切り詰めて、
LCCのジェットツアーを利用し、
ホテルはNETで予約。
旅の手配は、
長女に全てお任せで、
オプショナルの手配までしてくれた。
9月21日、
成田第3ターミナル
20:40発。
飛行時間7時間半。
海外便では初のLCCで、
第3ターミナルまでやたら遠いし、
ターミナルの造りも
第2、第3に較べると貧弱に見える。
機内食は有料、
飲み物、毛布、機内のビデオに至るまで
全て有料。
それを承知の上での低料金だから
文句を言う筋合いではない。
ケインズ第一日目。
日本との時差は1時間で
殆ど時差はないが夜間飛行。
しっかり寝ないと翌日の体調にひびく。
けれど小さな子供たちは、
長距離夜間飛行に興奮していたらしく
殆ど眠れなかった。
目指すホテルは、
プルマン・ケアンズ・インターナショナルで
5ツ星のホテル。
飛行機はちょっと我慢でも、
ホテルは優雅に。
それが今回の旅のスタンスで
快適な旅ができた。
ホテルの計らいで早めにチェックインし、
寝不足で疲れた体を休めて、
その後はショッピングに繰り出した。
2日目、キュランダヘ。
ケアンズの観光は、
この日のキュランダと
グリーン島が定番。
往路はスカイレールで、
復路はキュランダ鉄道を利用。
スカイレールは全長7kmで、
これを乗り繋いで目的地を目ざし、
中継地点でジャングルを散策する。
キュランダ――。
オーストラリアの原住民、
アボリジニの村。
20年前にも訪れ、
当時も大勢の観光客がいたが、
どことなくひっそりして、
素朴なマーケットが並んで、
アボリジニの匂いがしていた。
しかし20年を経て訪れると、
村はすっかり整備されて
観光化が進んでいる。
その分、アボリジニらしい、
素朴な印象は薄れていたように思う。
その後は、カンガルーやワニ、
コアラなどがいる動物園である、
コアラ&ワイルドライフパークへ。
そこで子供たちはカンガルーに餌をやり、
アボリジニの音楽や踊りを見て、
ブーメランなどを体験した。
帰路はキュランダ鉄道。
鉄道の起源は19世紀末。
当時、キュランダは、
ゴールドラッシュにわいて
大勢の人が金鉱を目指したが、
途上の道は雨季になれば道を閉ざされ、
険しく切り立った山やジャングルに阻まれて
交通の難所になっていた。
そこで鉄道を敷くことになったが、
工事は困難をきわめたという。
鉄道が敷かれて100年余。
木製の車両は少しこぶり。
どことなくレトロでノスタルジック。
世界遺産の熱帯雨林のジャングルを
ゆらりゆらりと走り、
滝を見物するために途中下車。
1時間45分の鉄道の旅。
単なる移動手段ではない、
不思議な安らぎがありました。
2018.11.21

スカイレール。
ジャングル散策。




