北欧は、
ヨーロッパの中でも特異な存在。
イギリスやフランス、
イタリアなどと違って、
北欧特有の文化もある。
北欧4ヶ国の特色を紐解くと
人口はスウェーデンの900万人を別にして
600万人ほど。
首都の人口はその10分の1と思えば、
ほぼ間違いない。
4ヶ国トータルの国土面積も
日本の10倍の広さがありながら、
人口は2600万人と
4分の1にも満たない。
広い国土に少ない人口。
それが北欧。
北欧といえば森と湖の国。
そんなイメージがある。
僕が高校時代、
グループサウンズの曲に、
森と泉に囲まれた~♪♪とはじまる
「ブルーシャトー」という曲があって、
あれはまさに北欧のイメージだった。
森と湖に囲まれた美しい国。
だから北欧に憧れて、
行ってみたいと思った。
我がご幼少のみぎりは、
「ムーミン」が放映されて一世を風靡し、
岸田今日子演じるムーミンの声に
恋してしまったこともある。
デンマークのアンデルセンも
忘れてはならない。
それに、フィヨルド、オーロラ、
そして白夜の国と続けば、
北欧はどこまでもメルヘンチックで、
だからこそ北欧は森の中に湖が点在し、
可愛い妖精たちが棲むところ、
とのイメージがある。
美しきかな森と湖の国。
森の妖精や小人たちが、
木立の中を駆け抜けて、
サンタクロースが、
子供たちのクリスマスプレゼントの準備に
勤しんでいる。
それが北欧。
しかし北欧の印象も
歳を経て少しずつ変化した。
単なるイメージの世界から
現実の世界へ。
テレビやNET情報、雑誌では、
あらゆる雑多な情報が入り組んで、
北欧の新しいイメージを創り上げている。
その主たるものに北欧のデザインがある。
北欧には特有のデザインがあり、
それが際立っている。
とりわけIKEAの家具や
マリメッコなどが有名ですが、
北欧家具はシンプルで実用的。
そしてデザインは明るい色彩のものが多い。
極彩色のカラフルな絵柄は、
北欧の厳しい自然環境への
反動もあるのだろうか。
北欧の冬は長い。
夏はともかく、
冬は陽が射しはじめる時間が遅く、
午後も3時になれば暗い。
だから北欧の子供たちは、
昼間、お父さんの姿を見ないという。
暗いうちに家を出て、
暗くなってから帰る。
そんな風にして、
閉ざされた白夜の世界で、
ひたすら明るさを求め、
住み心地の良い住まい環境を求める。
そんな風に思える。
僕らが訪れたのは北欧の夏。
短い夏――。
それを名残惜しむように、
北欧の人たちは直射日光に肌をさらし、
カフェでは陽射しの射すテラス席を好む。
この辺りが日本人とは違う。
日本の夏、
とりわけ東京の夏は蒸し暑く、
日陰を求め、
エアコンの効いた室内に潜り込んで
涼を求めて彷徨い歩く。
そうした自然環境の違いが、
住む人にどんな影響を与えるのか、
知りたい気がした。
2018.11.14




ハダンゲルフィヨルド


フィヨルドを望むホテル