このとき訪問した国は、
北欧と一括りしても、
それぞれの国の事情が違う。
いちばん迷ったのは、
手持ちする通貨をどうするか。
4ヶ国にはそれぞれの通貨があり、
9日間で4つの通貨を使い分ける。
クレジットカードが使えるとはいっても、
旅行者の心情として手持ちの現金がほしい。
ノルウェーはEU非加盟国。
その理由は、
EU離脱を決めたイギリスに似ている。
ノルウェーは北海油田を控え、
世界第三位の産油国。
経済も比較的裕福で、
おまけに北欧4ヶ国は高福祉国家。
出産、教育、年金に至る、
ゆりかごから墓場までの生活を
手厚く保障する。
それだけにEU加盟国の
ギリシャやスペインといった
貧乏な国を救済するなんて嫌なこった、
というわけだろう。
ノルウェー・クローネを使う。
スウェーデンとデンマークは
EU加盟国ではあるが、
ユーロではなくこの国独自の通貨を使い、
フィンランドは唯一、ユーロを使う。
だからややこしい。
手持ちした通貨が残れば、
両替の手数料が無駄になる。
最初の訪問国はフィンランド。
ユーロを使用し、
フィンランドといえばムーミンの国。
ムーミングッズを買っておけば、
手持ちする通貨で
土産物を買うことも少なくなるだろう。
最初のTAX-FREEで
手土産の爆買いに走った!?
お気づきと思いますが、
この雑文にガイドブックにあるような
観光地の感想はない。
殆ど旅の印象というべきもので、
その中で印象に残ったことをあげ連ねる。
その一方でいつも、
絵葉書のような
そんな写真ばかり撮ってどうするの、
と言われている。
北欧到着後の最初の夜は、
シリアラインのクルーズ船に乗って、
次の訪問地・ストックホルムに向かう。
ストックホルムといえば、
ノーベル賞とABBAの国。
ノーベル賞の受賞にちなむ市庁舎や
ノーベル博物館に出向いて、
それなりの感慨もあるが、
ABBAが影を潜めていたのが淋しかった。
ABBAは1970年代に一世を風靡し、
世界で最も売れたミュージシャンとして
音楽界の歴史にその名を刻む。
それとともに
ストックホルムは水の都といわれ、
美しい街並みが訪れる人を魅了する。
けれどその影が薄い。
ストックホルムらしさを打ち出すなら、
水と緑の美しい風景をバックに、
観光案内にはいっそのこと、
ABBAの曲を流せばいいのに、
と思っていた。
ABBAは今もなお伝説のグループ。
ミュージカル「マンマ・ミーア」の大ヒットも
ABBAの曲があればこそだったし、
彼らの曲を聴けば
今でも心が弾んで、
そして震えます。
2018.11.12





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