南フランスへ①/コートダジュール

南フランス。
コート・ダジュールとプロヴァンスの旅。
3年ほど前の6月、
成田発のAFパリ経由でニースへ。
飛行機は太陽が進む方向にひたすら飛んで、
体内時計を置き去りにしたまま昼と夜が反転してゆく。
そしてニース。

その夜のホテルは、
ニース海岸にあるネグススコ。
5ツ星のホテルで
グレードアップして泊まった。
このネグススコは、
NETで検索すると、
とても風変わりなホテルで、
創業101年の由緒あるホテルですが、
中にはたくさんのオブジェがあり、
それが一風変わっている。
そんな奇抜さが売りのホテルなのかな、
と二の足を踏んだが、
それでも予約してみた。
しかしこれがヒット。
101年といえども、
リニューアルされて綺麗だし、
来る前はちょっと抵抗もあったが、
フロントからホールへ入る辺りは実に立派で、
最初は奇抜に思えたオブジェも
よく見れば面白い。
一見すればある種の博物館のようで、
ホテルそのものに見ごたえがあった。

ネグレスコホテル

とりわけ朝食をとった
ホテルのレストランが愉しかった。
ちょっと見は、どこかのお嬢さんが
もてなしているような姿が、
実は木彫りの人形だったり、
遊園地の回転木馬が
並んでいるような装飾があったりで、
結構面白い。
これでこの値段ならお得。
そんな話を添乗員さんに話したら、
――このホテルは評判がいいんですよ。
普通はこの値段でグレードアップなんかできません、
とイチオシのコメント。

ホテルのレストラン

ホテルの窓をあければオーシャンフロント。
地中海の真っ青な海と青い空。
そして眼下にはニースの海岸があった。
それより少し前に「最後から二番目の恋」というドラマで
ニース海岸をロケした場面があったが、
まさしく目の前の海岸が、それ。
素晴らしい景観に恵まれた。
ニースの夜は遅い。
砂浜に沿って走る道路は、
夜遅くまでたむろする人が賑やかで、
そんな夜の海岸を散策した。

ネグレスコホテル
ニース海岸
マーケット

3日目は市内のシャガール美術館へ。
シャガールはユダヤ系ロシア人で、
晩年はフランス国籍を取得して、
ニースに移り住んだ。
20世紀を代表する画家。
あかるい作風が特徴で、
パリのオペラ座の天井画も彼の作品。
中学生のとき美術史も好きで、
彼も好きな画家のひとりだった。

シャガール美術館

そしてバスで1時間ほど走りモナコへ。
モナコはフランスの東側に隣接して、
コートダジュールを代表する観光地。
ローマのバチカンに次いで
世界で二番目に小さな国。
人口は3万人ほど。
しかし国の財政は豊かで、
世界のセレヴが夏のリゾートとして集まる。
他国から移住する人の大半は億万長者。
税制はタックス・ヘイヴン。
以前、新聞でこれが話題になった。
なにしろ住民税がいらない。
それでも財政が潤っている。
世界的に有名なカジノもあるが、
それは国の収入のほんの一部で、
殆どは観光収入らしい。
モナコは道路が狭く、
バスを駐車場に置いて市内を廻る。
しかしその日は猛暑。
36℃を記録して、
おまけにモナコは坂が多い。
宮殿やカジノなど、
主な見所は海を見下ろす高台にある。

モナコ

モナコといえば、
グレース・ケリーと
F1のモナコグランプリを思い出す。
グレース・ケリーと言っても
若い人は知らないだろうが、
1950年代の後半から
60年代に活躍した世界的な女優で、
当世きっての人気女優。
誉れ高い知的美人で、
その高貴さが買われたのだろう。
モナコ国王は彼女を王妃として迎え入れた。
その当時は話題沸騰。
ある意味、シンデレラ伝説になったが、
モナコの知名度は低く、
世界的なトップ女優の座を捨ててまで、
なぜそんな所に?!
という人も多かった。
その後、娘を迎えに行く途中で、
自ら運転する車が事故に遭って亡くなった。
それも世界的なニュースだった。

F1の名所/S字カーブ
グレイス・ケリー

そんな小国ですが、
とても豊かな国。
それは歩いてみればよくわかる。
軒を連ねて建つ家はどれも瀟洒で豪華。
カジノも、宮殿も、優雅な佇まいで、
さすがセレブが集まる国、
とため息が洩れます。

そしてエズ村へ。
この周辺の高台には、
他国からの侵入を防ぐために要塞化した村があり、
それを鷹ノ巣村と称している。
エズはその一つで、
400mの高台にあり、
人口200人ほどの小さな村ですが、
観光シーズンは大勢の観光客が訪れるという。

2018.10.8

エズ村