ハレクラニの日々Ⅰ

二度目のハワイは、
2013年11月――。

その2ヶ月前の9月に、
長女は目黒雅叙園で結婚式をあげ、
ハワイ旅行はそのときの、
両家の、両親への、
サプライズプレゼントとして用意されたもの。
しかしそれがどうあれ、
これはハネムーンであって
僕らは単なる同行者。
これでいいの!?とは思いましたが、
至れり尽くせりの6日間を過ごしました。

旅の始まりは、
11月9日羽田発UA便。

時差で日時が逆転して、
その日の早朝にホノルルに到着し、
入国ゲートを潜ると「**&**」の
プラカードを持った人がいる。
なんで!?と思った。
ツアーじゃないのに。
しかし案内されるまま付いて行くと、
正面には超ロングボディの
白い高級リムジン車が停まっていた。
先輩が手配してくれたらしい。
車に乗ると車内は総革張りのシート。
お洒落なライトが点灯し、
ドアポケットには、
グラスや高級ウィスキーが並んで、
あたかもバーラウンジのよう。
これまで何度かリムジン車には乗ったが、
これほど豪華な車は初めて。
到着までは20分ほどで、
グラスを傾ける時間はありませんでしたが。

出迎えたリムジン車
ワイキキビーチ

ホテルに到着し、
チェックインに少し早かったが、
部屋に案内してくれた。
部屋の中で少し休んだ後、
若夫婦の泊まる部屋に招かれたが、
ここでもサプライズ。
真正面にはダイヤモンド・ヘッドが聳え、
最高のロケーション。
息を呑む絶景が目の前にありました。

ホテルエントランス
ホテルの窓から

ひと休みして昼食に。
チーズケーキ・ファクトリーという、
有名レストラン。
レイアウトも気が利いて、
お洒落なお店でしたが、
注文して驚く。
とにかくビッグ!
何から何まで二人分はありそうな量で、
料理と隣の席の人を見較べて、
なるほどと妙に納得してしまった。
料理も二人前なら
お腹回りもたっぷり二人前。
こちらはクラブサンドを注文したが、
とても食べきれませんでした。

その後はメインストリートを散策し、
早めに部屋に戻り、
ゆっくりと過ごす。
そして夕食の時間。
その日はホテルの
ハウス・ウィズアウト・ア・キー。
6人でハワイアンを聴きながらのディナーで、
オープンエアのレストラン。
テーブルを吹き抜ける風が心地よく、
このまま時間よ止まれ!
と思った。

ホテルのハワイアンショー
ハウス・ウィズアウト・ア・キー

ハレクラニの日々。
2日目――。
旅行プランナーに、
この日ご提案戴いたのは、
サンドバーツアー。
――ハワイといえば、やっぱり海だよね。
そんな願いを叶えるために
サンドバーへご案内。
間きなれない名前でしたが、
写真を見れば、まさに天国。
青く美しい海に白い砂浜が浮かんで、
その姿は楽園そのもの!
これを見ながら、
なにはともあれ行かなくちゃ、
なにがなんで行かなくちゃ!
と思いましたが・・。
その後のことはさておき、
まずはシェラトンホテルから
小ぶりなバスでスタート。

右手に海を見ながら海岸沿いを走る。

ハワイも2度目になると、
観光スポットや地名をいえば、
頭の中に地図が浮かんでくる。
この日はダイアモンド・ヘッドの裏側から、
ハナウマ湾へ。
ここはエメラルドグリーンの海に
珊瑚礁が広がるビーチ。
色鮮やかな熱帯魚が泳いでいる。
そこヘシュノーケリングに興じる人が
大勢押し寄せて、

訪れる人は年間300万人だとか。
この湾もかつては自由に出入りできたが、
今は海洋保護区に指定され、
海に入る前に自然保護活動のための
受講をしなければならない。
ハナウマ湾は、
切り立った崖の下に、
大きく弧を描いた青い海。
僕らはそれを湾の上から眺めるだけでした。

ハナウマ湾

さらに海沿いにひた走る。
時折りバスを止めて
海を眺めながら写真を撮り、
昼頃にはカイルア・タウンヘ。
アメリカ随―の美しいビーチですが、
このときのお目当ては「ブーツ&キモズ」。
あのときの店で、
行列のできる店。
この日は待たずに入ることができました。

幻の風景、サンドバーを目指して・・

サンドバーの海に向かって
船に乗り換える。

船の中はツアー客がたくさんいて、
半分以上は韓国人。
ガイド役の韓国人男性が、
なにやら気忙しく案内していた。
メガホンを片手に、
笑いながら大声で話し、

本当に忙しい人だ。
船が出るまでの間、
シュノーケリングの装着方法など
20分ほど説明していたが、
賑やかなだけで嫌な感じはしない。
とても楽しそうだ。
韓国語がわかれば面白いのだろう。
さらに小船でサンドバーに。
しかしどこを見ても、
どう見ても、

サンドバーらしきものは見えない。
青い海の中に、
真っ白な砂浜が浮かんでいる・・はず。
やがて海の上で錨が下ろされて、
海へ入れと声をあげる。
それに従って海に入る。
水深1mほど。
海の中をひたすら歩き、
少しずつ浅瀬になって膝下30cmほど。
案内する若いお兄さんは、
――水深30cmほどですが、
  今日はこれまで。
それにツアー客は、
――エ~ッ!!、と言い、
――これでも結構レアなんですよ!と返す。
周りから一斉に溜息のような声が洩れた。
みんなの気持は一緒。
青い海に浮かぶ純白の珊瑚礁の砂浜。
あれに恋焦がれて来たのに、
それはないでしょ―!
の悲鳴にも似た声でした。
ともあれ、奇跡の砂浜も、
地球の引力には勝てないというわけで、
その後はシュノーケリングタイム。
ゴーグルやシュノーケル、足ヒレ、
ライフジャケットを身に着けて海の中へ。
熱帯魚はさほどいなかったが、
それでも珊瑚礁の周りには、
色々な熱帯魚が泳いで、
それなりに愉しむことができました。

シュノーケリング

リゾート地の愉しみは、
アクティビティや、
ショッピングなど色々ですが、
時間の使い方も自由に、
気の向くまま過すことができる。
食の愉しみとして、
その後も美味しく食事をしましたが、
オーキッズにも足を運んだ。
オープンエアのこのレストランは、
朝の光が目映いばかりに差し込んで、
さわやかに風が舞い、
その横に小鳥が飛び込んで、
床に落ちた食べ物をついばんでいる。
いつもの風景だ。
緑の芝生の中に椰子の木がそびえ、
低木の生垣で仕切られた、
海とホテルの間の小道を、

ゆったりと散歩する人たちがいる。
ショッピングをするなら、
ワイキキのビーチ沿いか、
アラモアナショッピングセンター。
なんでもある、
結構楽しめる。
アラモアナの1階にはフードコートがあり、
ジャンクフードのようなB級グルメの店が、
30軒ほど軒を並べている。
その光景は壮観で、
それなりに安い。

昼食どきは人でごった返し、
まさしく人種のるつぼ。
わけのわからない言語が氾濫している。
食べる価値よりも、
見る価値の方がありそうだ。

2018.9.26.