麗しのオランダ②/オランダ絵画の巨匠たち

◆花のパレード――

それ以上に圧巻だったのは、
翌日の花のパレード。
この日がツアー最後の日。
フライト時間までにパレードを観る。
開催地はノールドワイク。
ここを起点に
約40kmの花のパレードが始まる。
バスを降りると、
出待ちの花の列が並んでいる。
これが圧巻!。
大型の山車や車が30台以上並んで、
それぞれチューリップやダリアなどの
花で飾られ
趣向を凝らして観る人を愉しませていた。
これが、あの花のパレード!
期待はしていたが、期待以上。
ディズニーランドのパレードが
貧相に見えるほど
その美しさに魅了されました。

花のパレード




◆芸術大国、オランダ――
オランダといえば、
著名な画家を多数輩出している国。
レンブラント、
フェルメール、
そしてゴッホ。

この3人の名前を並べただけでも、
巨星の煌く芸術大国の匂いが満ちてくる。
もっとも彼らが活動した時代は違い、
17世紀初頭のレンブラント、
後半のフェルメール、
そして19世紀後半のゴッホと、
その時代を映す芸術の鏡として活動した。
それだけにこの狭い国の中に
数多くの有名な美術館がある。
ゴッホ芸術の粋を集めた、
ゴッホ美術館やクレラー・ミュラー美術館、
フェルメール「真珠の首飾り」のある、
マウリッツハイス美術館、

そして、レンブラントの「夜警」を展示する
アムステルダム博物館など目白押し。
もっともこれらの名作も、
絵画を愛好するがゆえの魅力で、
さほど関心がなければ、
オランダの魅力も
色褪せて見えるかもしれません。

↓アムステルダム国立美術館所蔵
フェルメール/牛乳を注ぐ女
レンブラント/夜警

この日のツアーで、
クレラー・ミュラー美術館と
アムステルダム博物館を見学した。
これらの作品の中には、
日本でお目にかかった作品もある。
現存するフェルメールの作品は34点ほど。
その3分の1は東京の美術展で見て、
今回見た作品も含めれば半分近くになる。
それにしてもゴッホという画家は!
ゴッホ37年の生涯の中で、
主要な作品を描き上げたのは、
最後の4年間。
鬱病に悩まされながら作品を描き続けましたが、
最後はピストル自殺をして、
短い生涯を閉じました。
不遇の生涯を辿ったゴッホの絵が
このオランダには多数展示されている。
「糸杉と星の道」や「夜のカフェテラス」、
「麦畑」などなど、
キャンバスに叩き付けるように、
絵筆を奮った跡が目の前にある。
彼はなによりも情念の人。
あふれ出る想いを絵筆に託して、
それゆえに観る人を圧倒します。

↓クレラー・ミュラー美術館所蔵
ゴッホ/アルルの跳ね橋
ゴッホ/夜のカフェテラス
ゴッホ/糸杉と星の道

◆のっぽの国、オランダ――

オランダ人の特徴に「のっぽ」がある。
ヨーロッパ人は、
アジア人を見分けることができないが、
同じように日本人が、
オランダ人を見分けることは難しい。
確かなことは、
オランダ人はやたらデカいこと。
それは初めて
アムステルダム空港に降りたとき感じたが、
このとき改めて実感した。
オランダ人の平均身長――
男:184cm、女:172cm。
単に背が高いだけでなく、
胸板が厚く、逞しい。
こうした背の高さは、
便器の高さや、
バスタブを見て実感する。
尾籠(びろう)な話で恐縮ですが、
背の低い日本人男性なら、
便器で用を足すことはできないだろう。
但しバスタブが大きいことは歓迎。
ほかのヨーロッパの国々よりも
一回り大きいバスタブは、
ゆったりサイズで落ち着いて入れる。
彼らは体は大きいが、
決して強面ではなく、
日本人には至ってフレンドリー。
なにせ江戸時代に開かれた海外の窓は、
長崎出島のオランダだけ。
それを知ってか知らずか、
冷たい視線を感じることはなかった。
オランダの中学生が英語で気軽に、
――Japanise?
と笑みを浮かべて訊いてくるので、
ますます親しみを感じる。
クレラーミュラー美術館では、
日本人か中国人か?
と声をかけてくる高校生がいて、
返事のついでにカメラを向けると
仲良しペアらしく、
じゃれあってカメラにおさまってくれた。
このときのツアーの日程は、
いわしに喩えれば頭としっぽがオランダで、
お腹のあたりがベルギー。
だから順番に日を追って綴れば、
ベルギーが先になるが、
オランダを先に話を進めている。
ベルギーを巡り、
オランダに帰って、
アムステルダム市内を観光した。
アムステルダムはどこを切り取っても、
筆舌に尽くしがたい魅力がある。
ヨーロッパの町並みは美しく、
町の美観や歴史的遺産をとても大事にする。
アムステルダムも然り。
町の景観の美しさはベルギーには及ばないが
どうしてどうして、
この町も風格がある。
現地ガイドさんが言う。
日本人の子供に
アムステルダムの写真を見せたら
あっハウステンボス!と答えたそうだ。
この坊や、
ハウステンボスに行ったことがあるらしい。
なるほど!とは思ったものの、
あちらは偽物、
こちらが本物です。

アムステルダムの運河


長い歴史が刻まれた、
威風堂々たる姿は本物にはかないません。
この日は船に乗って運河めぐり。
一緒に乗船したのは中国人と我々のツアー。
とかく海外では中国人の評判はイマイチ。
ちょっと嫌な感じがしたが、
彼らは違った。
見ると品のいい顔立ちのお嬢さんやご婦人で
中国人のセレブなのだろう。
考えてみればもっともだよなと思う。
かつては中国人の年収は、
日本の10分の1と言われていた。
今は海外ビザの条件も緩くなって、
中国の経済も上向いているが、
平均的中国人からすれば、
この旅行にどれほどの費用がかかるのだろう。
多分、一般の中国人にはとてつもない額。
だから一緒に乗り合わせた彼らは、
本物のお金持ちでしょう。
礼儀も心得ているように見えました。
市内観光の折り、
アムステルダムの中央駅を見学した。
東京駅にそっくり。
それもそのはず、
東京駅はこの駅をモデルにしている。

アムステルダム駅

2018.9.12