Smoking Kills!!

喫煙者の肩身は
どんどん狭くなっている。
とりわけ海外の喫煙者には、
容赦ないほど厳しい。
日本では煙草がどんどん値上げされて、
今では460円になった。
それでも吸う。
非喫煙拒否症候群の人の中には、
値上げを機に止めたとの声も聞くが、
絶対にやめない、
と公言する人も多い。
それにしても
煙草を吸ってもいいことなんて何もない。
ニコチンやタールを体の中にぶち込んで、
肺を真っ黒にして寿命を縮める。
周りの人からは煙たがられ、
煙草代もばかにならない。

かく言う小生も、
かつては立派な喫煙者だった。
大学入学と同時に当然のように煙草を吸い、
最初は一日10本ほどだったが、
それでも煙草は欠かせない。
特別な禁断症状はないが、
***の後の一服という感覚はわかるし、
喫茶店では相手との場を
とりもつのに役に立つ。
煙草をやめたのは、
やめようとしてやめたわけではなく、
煙草を吸う暇がなくなったから。
仕事が忙しく席を暖める暇もない、
煙草を吸う暇があったら仕事を優先する、
という緊急事態に陥った。
それから煙草とは疎遠になったが、
それでも時々隣の人に
煙草を戴いて吸っていた。
けれど、煙草やめました!
の宣言をしたことはない。
それでも煙草を吸わなくなると、
煙草の煙がやけに鬱陶しいし、
苦痛になる。
レストランや喫茶店では、
喫煙できる店は選ばないし、
隣の人に「煙草吸ってもいいですか?」
のひと言もなく、
煙草を吸う人がいると
蹴っ飛ばしたくなる。
最低限のマナーは守るべきだ。

海外では喫煙者の立場が危うい。
イギリスでは禁煙の法制化が進んで、
煙草の値段は1500円を超える。
カフェやバーでも喫煙は原則禁止だし、
建物内も喫煙禁止。
それでも吸いたければどうぞ、
ということだろうが、
反面、そこまでしてもと思う。
喫煙しない人は眼にすることは少ないが、
イギリスで煙草のパッケージを見たとき、
Smoking Kills!、
と書いてあるのを見たときは、
本当にびっくりした。
煙草は人を殺す!という訳だ。
値上げも激しい。
オーストラリアでは
煙草一箱が2500円を超え、
パッケージには、
見るのもおぞましい絵が描いてある。
そこまでして吸いますか?
ということだ。

日本人の喫煙率も下降線を辿る。
厚生労働省のデータでは、
2000年53%、
2002年33%、
2010年24%、
2015年には19%に下がり、
成人喫煙率は確実に減少している。
煙草が値上げされるたびに
パッケージの表示が変わる。
「健康に注意しましょう」の表示から
「肺ガンや心筋梗塞の原因になります」と
語調が強められた。
それでも海外に比べればおとなしい。
最近は副流煙の表現も登場して、
被害は喫煙者だけではない、
周りの人にも悪影響がありますよ、
との被害が強調されるようになった。
飛行機の中、電車の中、レストランなど、
公共施設では煙草を吸うエリアが狭められ、
喫煙者は片隅に追い込まれてゆく。

もっと値上げすべき!と思う。
国際比較で言えば日本の煙草は安い。
イギリスなど非喫煙の進む国では、
煙草がどんどん値上げされるが、
煙草を吸う人は、
本当は止めたいんだけど、
**のあとの一服!
に誘われて遂々吸ってしまう。
だから思いっきり値上げすれば、
止められるのではないか・・。
結構そうした
煙草やめたい予備軍が
いるんじゃないかと思う。
煙草の値上げは、
地球人の健康に寄与する。
それでも煙草を吸いたい人は、
税金を納めて国家に貢献して戴く。
そう考えれば、
煙草の値上げは百利あって一害なし。
煙草の税率は高い!、
がまだまだ安い!
煙草税を80%にして、
一箱1000円にしよう。
それがかつての
煙草値上げ論争の論点でした。

煙草はかつて海外土産の定番。
マールボロやKENTなんか貰って、
オッ!洋もくじゃん!、
とか言って悦に入っていたが、
今では煙草の土産は意味合いが違う。
煙草のパッケージには、
ガンで息絶え絶えの絵があり、
それにでっかい警告文が加わる。
それも刺激的なほどいい。

娘がバイト先の人に
海外の土産に煙草を頼まれ、
それにはどぎつい絵と警告文があった。
――コレ、本当に土産にするの?
と訊いたら涼しい顔で、
――あげるよ、
健康を考えてあげてるんだ!
と話していた。
なるほどね、
それもいいかもと思った。

2018.9.3