3日目。
ソウル市内の、
昌徳宮、景福宮、
宗廟の世界遺産を巡る。
昌徳宮と景福宮は王宮で、
とりわけ景福宮が素晴らしい。
今もなお当時の栄華を彷彿とさせる
文化遺跡の再建中で、
いずれ朝鮮王朝時代の全貌が
姿をあらわすことになるのだろう。
昌徳宮はタクシーで行く。
韓国には模範タクシーと、
一般タクシーがあるらしい。
模範タクシーは、
料金はちょっと高めでも
ぼられないらしい。
その一方で、
一般タクシーは、
何があっても保証しませんよ、
というわけですかね。
ドアマンが模範タクシーか、
一般タクシーにするかと問うので、
一般タクシーでいいよ、
とはいえない。
新羅ホテルは超一流ホテル、
見栄もある。
昌徳宮は自然散策路が見所。
王族のお歴々は散策路を歩き、
あづまやに休息して、
豊かな自然の風景を堪能したのだろう。

その後、景福宮へ。
地図を見れば景福宮まで遠くはない。
宮殿内の店で働く高校生らしい女の子は、
日本語を話していた。
――景福宮まではどう行くの?
と聞くと道案内をしてくれたが、
――歩くと遠いです、
と付け加えた。
歩くつもりだったが、
その子の教えに従って、
タクシーで景福宮へ出向いた。
運転手は日本語を話し、
それが上手い。
5分ほどだったが、
色々と話しかけてきた。
サービスのつもりで、
お釣りはいいと見栄を張った。


朝鮮王朝は、
歴代の王が贅を凝らして、
建物を築き、庭を造り、
長い歳月をかけて見事な宮殿を築いた。
贅を尽くすとは、
それを一瞬の仇花にすることなく、
その国の文化として
永々と築きあげること。
それが朝鮮王朝の文化で、
王族の誇りでもあったのだろう。
その後、雨の中を
韓国料理のサムゲタンの有名店、
「土俗村」に向かう。
景福宮から歩いて5分ほど。
途中で急に雨が降りはじめ、
そして店に到着。
しかし、驚いて、呆れて、断念した。
並ぶことが嫌いな韓国人も並ぶ
有名店と紹介されて、
2時頃が比較的空いて狙い目ですよ、
とあったが、
その日は土曜日。
行列は100m以上。
まさかこんなに並んでいるとは。
回転が速く
待ち時間も30分ほどとあったが、
そんなのは絶対に嘘。
早々に退散せよ、
と心の声が呟く。
どうしようかと思いながら
ガイドブックを開く。
幸いにして
200mほどの所に評判の店がある。
裏通りの2階にある目立たない店で、
看板も小さくて見過ごしそう。
ここが店?
と思うほどひっそりしていたが、
店の入口で
Do you have a Japanese menu?と訊くと、
頷いて店の中に案内してくれた。
これが幸いした。
店の造りはシンプルだが、
料理は上品で美味しい。
ついでにマッコリを注文し、
これがイケル。
現地の酒はドブロクのようなお酒だよ、
と聞いていたが、
美味しくて飲みやすかった。
その後、明洞(ミョンドン)へ。
ソウル随一の繁華街。
原宿のような若者のショッピングゾーンで、
竹下通りに較べれば道は広いが、
人がやたら多い。
そんな街でスイーツの店へ。
ガイドブックに美味しそうなスイーツが並んで、
その店を目指した。
落ちついた店とあったが、
看板に偽りあり。
でもこの店のあずきフラッペは
おいしかったし、
そしてケーキも。
ホテルの前の免税店へ。
雨の中に大型バスが何台も連ねて、
中国人のツアーばかり。
彼らは気忙しいし、
うるさいし、
行儀が悪い。
なんとかならないかと思う。
広い店内は芋洗いのようにごった返し、
中国人が圧倒的に多い。
顔の似ているアジア人の中でも、
中国人はけたたましく喋り、
目立っていた。
そんなこんなで、
ソウル市内の世界遺産を巡る旅を終えて、
3日目の夜が更け、
そして4日目。
この日は殆んど帰り支度。
最後の締めとしてホテルのラウンジで朝食をとり、
帰路を辿りました。
2018.8.29