ソウルへ-1/歴史を感じる風景

2012年7月、
ソウルへ――
JALのマイレージを使い、
折角行くのだからと、
ソウル最高峰のホテル
新羅(シーラ)ホテルに目星を付けて、
NETで最安値を探した。
そして仁川空港へ。
新羅ホテルはソウルの高台にあり、
韓国の格式を誇るホテル。
国賓級の客をもてなし、
実際、3日目の朝、
ホテルを出ようとしたとき、

テルのロビーには赤絨毯が敷かれ、
ホテルの人たちが大勢並んでお見送り。
この日は中国の外務大臣が泊まったらしい。
先頭はライトを点灯したパトカーが先導し、
ホテルを出るときは、
ホテルのスタッフが一斉に拍手して、
仰々しい見送りでした。

新羅ホテルロビー

国賓級客の見送り

話しが前後しますが、
初日はメトロに乗って安国へ。
アングクと読む。
漢字でも読み方が違うし、
併用するハングルは読めない。
そんなわけでメトロの路線図がわからない。
最初は切符を買うのもひと苦労でしたが、
慣れれば路線NOと駅NOでわかる。
どの駅にも駅名と一緒に駅NOが表示されて、
自動切符売り場もNOで購入する。
市内のどこへ行っても大抵80円ほど。
タクシーは安いし、
ソウル市内の交通機関も安い。
韓国のメトロもきれい。
オリンピックを機に整備して、
日本のメトロよりも車内が広いし明るい。

この日は北村韓屋村へ。
通称ブッチョン。
韓国の古い街並みで、
入口付近の通路の正面に高校があり、
正門の表札に「中央高校」とあり、
景色を見て思い出した。
冬ソナのロケ地で、
校門の入口に立つおじさんは、
写真を撮ろうとすると
――こっちの方から撮った方がいいよ、
と日本語で話しかける。
坂の多いこの街には、
韓国の伝統的な屋敷が並んで、

ソウルの誇る町並み。
このときも古くなった家を、
町並みに合せて修復していました。

北村韓屋村(ぶっちょん)

二日目。
急進するソウル。
ソウルの進歩は早い。
郊外には高層マンションが並び、
近代化が急速に進んでいる。
その一方で少子高齢化も急速に進んで、
出生率は1960年の6人から1.24人に急降下して、
日本の1.39人をさらに下回った。
だから韓国は、
人口が激減するのではないかと懸念されている。
そんな韓国の激烈な高学歴化と、
それを象徴するソウル大学の入試風景は、
世界を唖然とさせた。
韓国は超財閥社会。
その頂点にサムソンがあり、
世界のサムソンとして日本企業を脅かし、
有能な頭脳と見れば、
金に糸目をつけず、
高額な報酬で刈り取っていく。
噂によれば億を超える報酬もあるらしい。
日本の頭脳も買い取られ、
日本が追い超される日が遠くないかもしれない。

もっとも今は景気が後退して
元気がないですが。

この日は一日ツアーに参加した。
韓国のテレビ局「MBA」が放送する、
歴史ドラマのセットを見るツアー。
手軽に韓国の文化を知り、
楽チンに一日を過ごせる。
バスに揺られて1時間半。
ソウルの高速道路はバス専用路線があり、
渋滞する車線を尻目に快調に走る。
しかし、街の風景はどこも似ていて眠気を誘う。
やがて高速を降りて一般道に入るが、
これがまた、
どれだけ田舎なんだか、
といった昔の農道のような道路。
田んぼの狭い道には,
電信柱が右へ左へと傾いている。
田舎の中のど田舎。
すれ違いもできないほどの狭い道を走り、
バスはやっとのことで目的地へ。
此処はチャングムなどの
歴史ドラマが収録されたセットで、
よく見ればどれもこれも張りぼて。
でも、ドラマになればそれがわからないんだから
よくできているよな、と思う。
それでも朝鮮王朝時代の古い町並みを知り、
当時の文化を垣間見ることができて、
結構、楽しむことができた。

MBAのセット

更にバスを走らせて、
水原市にある歴史遺産の華城を見学。
18世紀末、
当時の王が非業の死を遂げた先代王の墓を移築して、
当時の技術の粋を集めて
周囲に城壁を築きあげ、
5kmほどの長さになる。
その城壁が美しい。

華城

2018.8.27