上高地に初めて訪れたのは、
30年ほど前のこと。
長男は足元もおぼつかない幼子で、
長女も4歳だった。
あの頃は上高地は車の乗り入れ自由で、
河童橋まで直行した記憶がある。
上高地は穂高岳や槍ヶ岳など
3000m級の山が聳える山岳地帯にあって、
アルプスの登山口として有名、
アルピニストの憩いの地でもある。
アルプスの山々を背にして梓川が流れ、
その渓流は清冽にして爽快。
川に手を差し込むと刺すように冷たく、
思わず手を引っ込めてしまうほど。
子供たちも一瞬、驚いた様子で、
その冷たさを感じたものでした。
二度目は10年ほど前。
当夜の宿は上高地の帝国ホテルでしたが、
長男は部活で参加できず。
このときは前夜までの豪雨で、
梓川は濁流のように流れ、
その日も雨が降っていた。
傘をさしながら河童橋まで
10分ほどの散策。
ちょっと残念な上高地になりました。

3度目は家族全員で上高地へ。
同様に上高地の帝国ホテルに宿泊。
週末の金曜から1泊2日の短い旅行でしたが、
高原のリゾートライフを満喫しました。
その時はトレッキングにも挑戦。
今までは河童橋付近を散策する程度でしたが、
このときは明神池付近まで
往復2時間ほどの散策。
比較的平坦な道で木道も整備され、
普段着で歩くこともできる。
梓川と並行してナラやブナ、
白樺が生い茂る森を歩き、
リラクゼーションを身体一杯に感じて、
自然の実り豊かな風景を
愉しむことができました。

そのときは中央高速~長野自動車道を経て
昼頃にはホテルに到着。
その後散策しましたが、
ゆったりとした時間を過ごし、
トレッキングしながら、
明神池付近では名物の岩魚を賞味。
岩魚は川魚の王様と言ってもいいほどで、
香ばしく、おいしい川魚。
その後、河童橋までの別ルートを辿り、
山を降りました。
河童橋付近で小休止。
此処で驚いたのは、
周りが中国人ばかりだったこと。
日本人かと思えば中国語を話し、
河童橋付近にいる7割ほどが中国人だった。
以前、富士山麓の忍野八海でも
中国人観光客の多さにびっくりしたが、
上高地にまで
中国人観光客が押し寄せてきたのは、
本当に驚きました。
それだけ多くの観光客が
海外から訪れている証しですが、
中国人パワーに圧倒されます。
翌朝はホテルの和食レストランで朝食。
上高地帝国ホテルの朝定食の和膳は絶品で、
ごはんにはお粥を注文して、
これが本当においしい。
おひつをあけるとお粥がつやつやして、
これ以上はないという美味しさです。
その後は大正池方面を散策し、
ラウンジでティータイム。
長女オススメの帝国ホテルの
カマンベールチーズケーキを食べましたが、
これもまた美味しかった。

その日、部屋窓から玄関を見下ろすと、
なにやら大勢の取材陣がいました。
アメリカの駐日大使が宿泊しているという。
部屋を出ると偶然にも
大使のご家族に出逢いました。
大使は帽子をかぶって短パンという軽装で、
子供や奥さんを連れて歩いていました。
このときの大使の上高地訪問は、
表向きは東日本大震災で被災し、
急減した海外の観光客に
日本の安全性をアピールするため、
ということでしたが、
それよりも週末を家族とともに過ごすこと、
その方が大事だったことでしょう。
大使にとって休日の過ごし方も仕事のうち。
ご苦労さまです。

2018.8.3