巴里の空の下で-3

6日目、最終日。
終日フリータイム。
この日をどんな風に過ごすか、
それによって旅の仕上げが変わる。
いわば旅のテイストを決める
調味料のようなもので、
この日については色々想いを巡らせた。
どこに行きたいか、
市内観光で残った所はどこか。
その筆頭にあったのがオルセー美術館。
ルーヴルではなく、
印象派の巨匠の絵画が並ぶこの美術館は、
愛好家には見逃せない。
そしてパリの美味しいスイーツの店や
有名ブランドのウィンドーショッピング。
セーヌ川をクルーズし、
凱旋門の上からパリの街を一望して、
シャンゼリゼを歩いて、
最後の仕上げは、
パリのレストランでディナーを。
そんなことを考えながら、
旅の道標の手助けをしてくれたのは娘でした。
日本でパリのレストランを予約し、
メトロのルートを丹念に調べ、
辿るルートの道案内をする。
そんな風にして
旅マップを作って戴きました。

しかしそのルートを
忠実に辿らなかったことが災いした。
最初の予定は凱旋門だったが、
早い時間に店はあいていないし、
オルセーは朝から人が並ぶと考えて、
凱旋門ではなく、
オルセーからスタートすることにした。
メトロから乗り換えて、
もうひとつの地下鉄RERに。
しかし乗換でハプニング。
電車が来ていたので
行先を確かめもせずに飛び乗った。
メトロはひと駅が1分ほど。
間違えたら乗り換えればいいや、
くらいに思っていたが、
反対方向に走っていった。
それも郊外を走るRERは
ひと駅がやたら長い。
パリ郊外をひた走り、
額から冷や汗が流れる。
途中駅をノンストップで走り抜け、
降りた所は乗ってから20分以上過ぎた駅。
傍らの同行者はすっかりオカンムリ。
無理もないか・・。
しばらくは口もきいてくれませんでした。
そんな訳で1時間近くロスして、
入念にチェックしたはずの道案内を
台無しにしてしまった。
旅の案内人さん、ごめんなさい!

オルセー美術館に到着。
長蛇の列ができていたが20分ほどで入る。
オルセーは駅舎を改造したもので、
変わった構造だった。
館内の中央は主に彫刻類で、
両側に印象派の絵画が並んでいて、
そして、あの名画が、
これも、あれも、それもという具合に
本で見た印象派の有名絵画が並んでいた。
ルノアール、ゴッホ、セザンヌ、
ゴーギャンなど、
此処に来れば
印象派の全てを知ることができる。
短い時間でしたが、
絵画鑑賞を愉しむことができました。

そして再びRERに乗って
エッフェル塔の下の駅へ。
とは言っても塔に昇るのではなく、
セーヌ川クルーズが目的。
RERを降りると目の前はエッフェル塔。
パリのシンボル。
赤茶けた鉄骨で組まれた重厚な建築は、
デザインの美しさ、
その存在感で、
ほかを圧倒して世界一!
クルーズ船は天井がガラス張りで、
開放感いっぱい、
天気も最高。
セーヌ川クルーズのお膳立ては出来た!
と思っていましたが、
船内にはパリっ子の小ギャルが占領する。
ピーチクパーチク。
最初から最後まで騒がしく囀りまわる。
しかしこんな騒音も一斉に発せられると、
どことなく子守唄に聴こえる。
騒音がいつしか眠りを誘い、
そんな風にしてセーヌ川を往復し、
川べりに並ぶルーヴルや、
オルセー、ノートルダム寺院などを見ながら
約1時間。
子供たちの囀りを枕に、
しばし心地よい時間を過ごしました。

エッフェル塔
セーヌ川クルーズ
凱旋門の上から

次はメトロに乗って凱旋門へ。
250段の長い、長い、
螺旋階段を昇って屋上へ。
これがきつかった。
息を切らして屋上へ昇れば、
そこからパリの街を一望する。
パリは凱旋門を中心に
放射線状に道が伸びている。
その日は天気もよく、
パリの空はさわやかに晴れわたっていました。

凱旋門からシャンゼリゼ通りへ。
ひっきりなしに車が往来し、
両側を広い歩道が並行している。
まずは、セゾン・デュ・ショコラで
エクレアを買い、
それを食べながら昼食にしよう。
この店は言わずと知れたパリの有名チョコ店。
とは言っても日本にもある。
有楽町駅の近くの日比谷店や表参道店。
今では店舗も増えている。
以前、この店の評判を聞いて
チョコを買いに行ったことがある。
有楽町駅から徒歩3分ほど。
手狭な店に人がいっぱいで、
やっぱり人気店。
驚くのはそれだけじゃない。
値段を見てびっくり。
小粒のチョコが体裁のよい箱に入って
3,000円以上がザラ。
高ければ1万円以上もして、
まるでチョコの宝石箱。
でもパリに行ったら本場もんの店に行きたい。
パリにもいくつかあるが、
あえてシャンゼリゼ通りの店へ。
NETで見ればエクレアが評判。
パリに行けば必ず買うよ!
という人が何人もいる。
実はガイドさんもこの店を紹介していた。
私はパリに来ると必ず
エクレアのチョコを買います。
ルーヴルにもありますよ。
主人にも買って帰りたいけど、
チョコレートはねぇ、夏は融けちゃうし、
と話していました。
そして通りの裏手にあるこの店を発見し、
シャンゼリゼ通りで食べました。
確かに旨い!
コレが世界一の味かと感心しました。

今夜はFIFAワールドカップの
トーナメント1回戦、
日本対ベルギーです。

2018.7.2