俳人小林一茶は、
蝿や蛙、雀に至るまで
慈愛の心をもって接し、
それを句に託していますが、
我々凡人には、
なかなかそれはできないこと――。
昔々、家の前で
タヌキと散歩している人に
出会いました。
最初は、
丸々と太った犬だなぁと思いつつ
通り過ぎようとしましたが、
良く見ればコレが何と、
タヌキ!――
でもこれは動物虐待ですね。
自然界に生息するタヌキに
首輪をつけて紐で括る。
タヌキは人目にさらして
コロコロ転げて走り回る。
それは、ソレは、醜い姿でした。
飼い主は動物愛護のつもりか、
毛並みも犬並みにしていましたが、
所詮、タヌキは狸、
腹鼓を打ちながら山で暮らすのがお似合いです。
そして、
眼につくのはカラスの非道ぶり。
カラスはなぜか悪賢い。
狡猾、陰険。
それだけに、
生き恥をさらすなカラス!
と憤っています。
二人の子供を毎朝、
見送りしていた時期があります。
早い時間に
駅前の通りを車で走ると
カラスが生ゴミを漁ってたむろしている。
1羽ならまだしも、
5羽、6羽、7羽と群れをなして、
ゴミのポリ箱を倒して食い散らかし、
ゴミは通りの真ん中に散乱して、
そのゴミを追うように
カラスが道路のど真ん中で食い漁っている。
思わずアクセルを踏む。
轢き殺してやる!と叫んで
直前で良心が咎めて思いとどまる。
我ながら仏のようだと思うが、
カラスには、
――生き恥をさらすな!
と仏の説法を唱えます。
しかし一方でカラスは、
飼い犬や、猫、
家畜として飼っている羊まで襲う。
冬のさなかにカラスが、
10数匹の羊を襲って殺してしまった、
とのニュースが流れたことがあった。
恐るべしカラス。
真っ黒で見た目も醜く、
できればこの世から消えてなくなれ、
と思っているんですが、
そんな私はやっぱり、
仏にはなれないでしょうか。
ともあれそんなカラスですら、
動物愛護の対象でもあるらしい。
無闇に殺生することは、
法律で禁じられているようですが、
犯罪カラスを放置して、
なにが法治国家かと、
残念に思うのですが。
2018.6.15