2007年の夏、
家族でスイスへ――。
しかし学生だった長男は、
部活を休むことができずに
旅行に行くのを断念しました。
最初のスイスは30年以上も前。
あのときの感動は忘れがたく、
もう一度スイスへ!との想いがありました。
当時は海外旅行も今ほど一般的ではなく、
スイスは遥か彼方の憧れの地。
そしてその日、
成田発JAL便でスイスへ take off。
それが最初の海外で、
最初のフライトでした。
◆ルツェルン/
スイス紀行の起点はルツェルン。
町の中央に古い木造のカペル橋がある。
町の代名詞でもあるこの橋は、
実は20年ほど前に焼失しましたが、
ほどなくして再建され、
町のシンボルとして復興を遂げました。
橋に飾られた花は可憐で美しく、
以前は見られなかった光景でした。
それを見ていると、
ヨーロッパはどこに行っても
古い街の景観を大切にしている、
と実感します。
ポーランドのワルシャワは、
第二次大戦で壊滅的な打撃を受けましたが、
壁の割れ目に至るまで再現し、
今では世界遺産に登録されているし、
以前訪れたオーストリアのウィーンも、
戦災で多くの歴史的建造物を失いましたが、
それもまた再建されました。
西欧の人たちの歴史的文化財を大切にする心。
日本人には信じがたいほどの
歴史的なものへの畏敬の念と愛着を感じるし、
それがヨーロッパの歴史を刻み、
弛みない時の流れを
今に伝えていると感じます。
それがまた、
ヨーロッパと日本の文化の違いでしょう。
都市の文化――。
それはITなどに代表される
先進技術によるものではなく、
ときを刻み、
人間が築き上げてきた、
有形・無形の貴重な文化遺産です。


◆ベルン/
それに続く首都・ベルン。
旧市街は重厚感のある城郭都市で、
世界遺産でもあり、
旧市街の中心に
この町のシンボルである時計台があり、
石畳の風景が印象的でした。

◆スイスアルプス/
スイスの魅力はなんと言っても、
アルプスの雄大な景色、
そしてアルプスの裾野に広がる
牧歌的な美しい風景でしょう。
二度の旅行でとりわけ印象的だったのは、
シャレーと呼ばれる
スイス特有の山小屋風の家の、
軒先に飾られた美しい花でした。
それらはゼラニウムの花々で、
可憐で、気高く、
高原に彩を添える
美しい風景になっていました。
その魅力に取り付かれて、
最初の訪問では日本に帰国してからも、
我が家にゼラニウムを!
スイスの風を!と、
ゼラニウムの鉢をせっせと買い集めて
育ててました。
スイスはそうした期待に違わず、
このときの旅行でも、
私たちを快く迎え入れて、
行く先々の天気は最高。
空を見上げればアルプスの山々が聳え、
最高のロケーションを描いていました。
2018.5.21