沖縄の旅

長女が生まれる前の8月、
連休を利用して沖縄に行きました。
燦々と降り注ぐ陽の光と
青い珊瑚礁の海――。
そんな風景に憧れて旅立った沖縄でしたが、
沖縄本島は青い海が意外に少なくて、
がっかりした記憶があります。
我々が期待していた南太平洋の、
あの透き通るようなエメラルドグリーンの海――、
それは西表島や石垣島など離島の、
極上の風景であるらしい。
それでも沖縄は、
日本ではあるけれども、
日本ではないような
エキゾチックな雰囲気がありました。
家並みはどこか異国の風景を思わせ、
沖縄の人たちの顔は浅黒く彫りが深い。
裏通りに入れば、
白い漆喰がむきだしの屋根瓦に、
沖縄独特の魔よけ「シーサー」が見える。
沖縄本島には米軍基地も点在し、
街並みに英文表示の看板があって、
外人向けの店も多い。
沖縄は日本であって、
日本とはほんの少し違う異郷の地。
旅はいつもそうした発見があり、
さまざまな驚きと感動に出逢います。

海水浴をした万座ビーチ

そのときは3泊だったと思う。
リゾートホテルの沖縄ヒルトンに2泊し、
那覇市内の都ホテルに1泊。
旅先では心なごむ風景に出会いました。
初日は 那覇空港に到着して、
タクシーで沖縄ヒルトンに向かう。
そのタクシー料金が安い。
レンタカーもまた安かった。
沖縄本島には鉄道がなく、
当時は出来たばかりの高速道路が1本だけ。
だからこそタクシーも安いのかもしれない。

二日目には、
レンタカーで本島を1周しましたが、
その途上では有名なリゾート海岸に立ち寄り
泳いで、そして甲羅干しをしました。
海辺は夏も真っ盛りだというのに人影は少なく
しばし砂浜を独占しました。
しかしその夜、背中や肩が火のように熱い。
殆ど燃えるように熱くて、
寝るどころではなかった。
そんな話をタクシーの運転手に話したら、
――そりゃそうだよ、
沖縄の陽射しは違う。
島の連中は昼間は泳いだりしないよ、
と言われてしまった。
トホホの手くれの教訓でしたが。

沖縄のホテルの前で、
ヘンなものを見かけました。
それは、巨大なかたつむり。
一瞬、アンモナイトの化石が
沖縄に出現したのかと思いましたが、
沖縄には沖縄独特の生き物が

巨大なカタツムリ アフリカマイマイ

たくさんいるらしい。
畑の中にぽつんといて
体長は15cmほどあり
アフリカマイマイというらしい。
この巨大かたつむりも
エスカルゴとして食用にするらしいのです。

沖縄の人の特徴は、
彫が深くて浅黒い顔。
鹿児島でも同じような顔立ちの人を見かけましたが、
最近の沖縄出身の人を思い浮かべると、
それは違うんじゃないかと思う。
夏川りみや宮里藍あたりは、
いかにもという感じですが、
新垣結衣、黒木メイサ、仲間由紀恵、二階堂ふみ、
比嘉愛未、知花くらら、となると
沖縄の人の顔立ちに共通項があるのだろうか
と考えてしまいます。
沖縄もまた日本。
海を越えた遠い島国の時代は終わりました。
野球だって、スポーツだって強いし、
日本の中の日本です。
2018.5.11