カナダ―――、
大自然に恵まれているだけでなく、
さまざまな顔がある。
私たちがカナダに行ったのは2002年の夏。
家族旅行でした。
このときの旅行はカナダ西海岸の
バンクーバーを経由しましたが
そのときの滞在で
ひときわ印象的だったのはビクトリア。
とりわけブッチャートガーデンの美しさは
際立ち、
さまざまな花が咲き誇って
その彩り豊かな色彩の競演は
訪れる人を愉しませていました。
真夏の暑い日でした。
それでもこれ以上はない
と思わせるような花の美しさは、
生涯、忘れることのない
風景のひとつになりました。
バスで20分ほどの所にビクトリアがある。
バスを降りて
ヨットハーバーを望む港に立ったときの感動は
今もなお忘れ難い。
それはあたかも一幅の絵を見るように
美しく輝いていました。
ビクトリアはコロンビア州の州都であり、
世界のリゾート地ともいえる風光明媚な都市。
しかも温暖で、
カナダ人に限らず、
欧米人の憧れの地にもなっています。
港湾の目の前にはヨットハーバーがあり、
たくさんのヨットが帆を並べ、
湾を取り囲むように
市街地が広がっていました。
州議事堂や世界的なホテルなど、
歴史と風格を感じさせる風景は、
イギリスよりもイギリスらしい、
と言われています。
赤い二階建てバスや、のみの市。
ヨットハーバーの前の広場では、
大道芸が余興を披露し、
燦々と降り注ぐ陽の光を浴びて
美しい風景が拡がっていました。
たくさんの大道芸がありましたが、
ベンチに坐る真っ白な石膏像の親子には
本当に驚かされました。
その石膏像は、
ビクトリアの美しい風景に溶け込んで、
心を和ませていましたが、
それが大道芸とは思えませんでした。
小さな子供が、
像の前でちゃりんと硬貨を落とすと、
いきなりパントマイム風に動きはじめる。
余りにも精巧にできていて
てっきり本物の像と思い込んでいたので、
意外なハプニングに
新鮮な感動を覚えました。
2018.4.27


友人あてのメール
お久しぶりです!
毎日、如何お過ごしでしょうか?
小生は、8月9日(金)から8日間、
カナダに行ってきました。
とにかく涼しい!
日本はその頃、
毎日うだるような暑さだったそうですが、
カナダは最高気温も23℃ほどで、
朝夕は10℃を切るほど涼しい気候でした。
とりわけ山の上は寒いほどで、
ツアー途上では、
山の上にうっすらと新雪を抱いて、
山頂近くでは雪合戦ができるほどでした。
それもそのはず、
カナダは北緯45度ほどで、
日本なら北海道より北の樺太あたり。
これでは涼しいのは当り前でしょうね。
しかし、太平洋岸には暖流が流れ込み、
冬は比較的温暖で過ごしやすく、
ビクトリアは、
老後の生活の憧れの地でもあるようです。
今回の旅の始まりは、
カナディアンロッキーの拠点・バンフでした。
到着した翌日から2日間、
ホームページで知った現地のガイドさんの
11人乗りバンで
見所を案内してもらいました。
旅のハイライトはなんと言っても
周辺に点在する氷河湖。
これらの湖は、
氷河から流れ込んだ水が湖を造り、
エメラルド色の美しい湖水を映し出しています。
とりわけレイク・ルイーズは
世界の宝石とも呼ばれ、
氷河を抱く山並みを背景に
目映いばかりの風景を描いていました。
見所は湖だけではありません。
ハイウェイの両側には、
壮大な山並みが目の前まで広がり、
そのスケールの大きさは
日本では見ることはできないでしょう。
そそり立つ山は、
その稜線付近では森林が途切れ、
これが森林限界線と言われて、
いかなる生物も冬を越えられない
生命の限界領域だそうです。
道路の両側にはフェンスが張り巡らされ、
周辺の動物が道路に入り、
車に轢かれないための防護ネットで、
一定区間ごとに動物が渡るための橋を渡し、
トンネルを掘っています。
それでも車に轢かれる動物は後を絶たず、
あの有名な灰色熊も車の犠牲となり、
数もどんどん減っているとか。
日本なら、熊が出れば退治せよ!
熊が人間を襲ったらどうするんだ!
と大騒ぎになりそうですが、
野生の熊ですら此処では大事にされて、
人間との共存を第一に考えています。
人間は熊に近寄ってはならない。
これは人間の生命を守ることもありますが、
一度、人間を襲った熊は、
更に二度三度と人間を襲う習性があるそうです。
そうした熊は止む無く射殺。
これは自然界との共存の限界を破った
人間の罪も問われるようです。
観光地周辺のリスは人間に馴れている。
手を差し出すと愛らしく近づいて来ますが、
これは人間が餌をやるから。
でもこれは動物のためにはならない
と諭されました。
こうした動物は餌を採ることをことを忘れ、
厳しい冬を乗り越えることができない。
此処に生きる動物は須く、
こうした保護のもとに生きています。
しかもそれは、
自然に生きる動物は自然のままに、
という原則で貫かれています。
それは取りも直さず、
動物と人間が共存し、
自然とともに生き、
自然を生活の糧とする
ロッキーの人の生きる知恵でもあるようです。
此処に住む人たちは、
決して動物をおろそかにしません。
街中で道路をわたる野生の鹿の群れにも、
渡り終えるまでじっと待ちます。
環境を守り自然を守る。
日本だけでなく、
世界で声高に環境保護が唱えられていますが
こうした現実の世界を見るにつけ、
真の意味で自然保護とは何なのか
と改めて考えさせられました。
バンフには4泊し、
翌日はバンクーバーに。
バンクーバーは、
観光の見所は少ないと感じました。
翌日はビクトリアの予定で、
当初はバンクーバー港から
自力で対岸のビクトリア島に渡り、
バスを乗り継いで、
ブッチャードガーデンや州議事堂などの
観光拠点に行く計画でしたが、
これはとても無理と
バンクーバーの日本のツアー会社に案内をお願いしました。
ビクトリアの見所の目玉は
ブッチャードガーデン。
1年中花が咲き乱れる庭園で、
世界有数の美しい花の庭園。
そしてビクトリア湾は美しく、
英国より英国らしくという詠い文句通り、
見事なまでに美しい風景が拡がっていました。

